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コラム

外国人不動産規制について

はじめに

近年日本で、外国人富裕層や海外法人による不動産購入が増加しています。

そのため都心を中心に、土地・マンションの価格が高騰し、日本人が購入できなくなるケースが発生しています。

さらに、観光地(京都・ニセコ)では、外国資本のリゾート開発や土地買収が進み、ホテルの宿泊料金の値上げが続いています。

こうした経済的側面に加え、昨今自衛隊基地や空港、原発周辺の外国資本により土地取得が増えており、安全保障の観点から懸念視されています。

したがって、以下では外国人による日本土地購入というテーマの下、日本に加え、各国の動向について紹介したいと思います。

 

カナダ

カナダでは、2020年から2025年にかけて、土地を含む不動産価格が17.9%上昇しているというデータがあります。

上昇した背景には、主に「移民」が影響していると考えられています(人口に占める移民のシェアは23.0%とG7の中で最高)。

移民の一部が大都市に集中することで、住宅市場の需給が引き締まったことが原因だと言われています。

これを受け、「カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)」は受入れ移民に制限をかけることを発表しました。

さらに、学生や短期労働者などの一時滞在者を総人口の6.5%から5%未満に引き下げる方針を示し、2023年1月1日より2年間、外国人による住宅用不動産の購入を禁止することを宣言しました。

 

オーストラリア

オーストラリアでも、コロナ以降に住宅価格と家賃が上昇し続けているという問題があります。

その背景の一つに移民の増加による需要の増加が挙げられています。

この状況を受け政府は、2025年4月からの2年間、外国人の投資目的による中古住宅の購入を禁止する政策を発表しました。

ただし、12か月以上のビザや永住権取得者については、中古物件の購入を認めるなどの緩和措置が取られています。

もっとも、供給量の少なさが根本的な原因ではあるものの、政府はより早く事態の解決を図るため、このような制限規定を導入したのではないかと思われます。

 

日本

現行法、日本では土地の所有に関して国籍やビザの制限がありません(登記も可能)。

そのため世界的に見ても、非常に開かれた制度の国であると言えます。

しかし、直接的に制限する法律ではありませんが、関連する法律として「外国為替及び外国貿易法」と「重要土地等調査法」があります。

外為法は、非居住者が日本の不動産を取得した際、財務省への報告を義務付ける規定を置く法律で、2022年施行の重要土地等調査法は、安全保障上重要な施設周辺を中心に、利用状況の調査・勧告を認可する規定をおく法律です。

以上からわかるように、この二つの法は、あくまでも調査・把握が目的であり、制限等を行う規定ではないことは明らかです。

では、なぜ厳しい制限を課すことができないのでしょうか?

これには、GATS協定(国際ルール)との整合性や経済への影響が密接に関わっていると思われます。

GATSは国籍で差別することを禁止し、外国人を自国民と同等に扱わなければならないことを規定しています。

そして日本は、加盟時に、バブル崩壊後の外資導入を意図し外国人による不動産購入の制限について特別な留保をつけずに加盟しました。

したがって、国籍を理由とした土地取得の規制を国内で行うことは国際協定違反となる可能性があるため、現時点では規制政策が進まないのです。

しかし、GATSにも安全保障上の例外規定条文が存在しており、GATSを批准した他国でも外国人土地規制が行われている例があるので、規制する場合は、他国の状況などの総合的な調査が必要になってきます。

こうした中、新政権は外国人による不動産所有状況を一元的に把握、管理するデータベースを構築することを発表しました。

データベースの登録対象は不動産登記のほか、森林、農地、国土利用計画法に基づく大規模土地取引、国境離島や防衛関係施設の周辺など重要土地等調査・規制法に定める重要土地が対象となる予定です。

この政策の背景には、保有実体を把握することで、日本人と外国人で不動産関連の税率に差を設けることや、取得規制のための条件整備につながるのではないかといった期待があるとされています。

以上、海外の規制状況や日本における現状について紹介しました。

国際ルールとの整合性の観点から、日本独自に判断することはできませんが、少しずつ現状改善に向けた取組みや法整備が行われるのではないかと思います。

そのため、今後の動向に注目したいと思います。

 

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