コラム
学生ビザから就労ビザへの移行
ビザ不法就労在留資格在留資格認定証明書外国人労務顧問技人国採用留学生事業規模に関わらず日本企業においてもグローバル化が急速に進み、外国人留学生を正社員として採用するケースも今後、ますます増えていくことかと思われます。
そこで今回は、いざ外国人留学生を採用するということになったときに留意しておくべき点を解説しようと思います。
まず、大前提として、留学生が日本で就職するときは、入社までに「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格に変更することが必要です。
その場合は、在留資格変更許可申請手続が必要となります。入国管理局への申請手続となります。
ここで重要なのは、この申請書は本人だけではなく、会社があらかじめ準備・作成する書類もあることです。
以下で、その手続きについて詳細に見ていきましょう。
在留資格の変更手続では、外国人本人・会社のどちらも書類を作成・準備することが必要です。
必要な書類は以下の通りです。
【本人が準備する提出書類】
・パスポートと在留カード
・外国人登録証
・在留資格変更許可申請書
・履歴書
・申請理由書
・卒業証明書または卒業見込み証明書
【企業が準備する提出書類】
・採用通知書等
・商業法人登記簿謄本、決算報告書(損益計算書)の写し
・会社パンフレット(またはWebサイトのプリントアウト)
・雇用理由書
これらの書類をもとに、入国管理局では入管法や省令(ガイドライン)に基づき、留学生と会社の両方を審査します。
留学生は、就労の在留資格にふさわしい学歴要件があるか、実務経験などの経験・年数があるか(経歴の要件)、学校の専攻科目と会社での従事業務に関連性があるか(活動内容・従事業務の要件)、日本人と同等以上の給料を得ているか(報酬の要件)などが審査されます。
雇用する会社についても、適正な事業を行っているか、許認可が必要な事業の場合は、許認可を得ているか(事業の適正性)、今後も事業活動を安定・継続して行うことができるか(安定性・継続性)、その外国人を雇用する必要性などが審査されます。
また、新卒者が4月から就職できるように、入国管理局では例年12月から申請の受付けをしています。
4月までに結果が出るよう、早めに申請することも重要です。
外国人留学生を採用するにあたり、就労ビザの変更や更新について手続の仕方や注意点をまとめました。
外国人留学生を採用するためには、複雑な手続きが必要になります。
また、就労ビザの場合は必ず通ると言い切れない反面、難しいようなケースでもビザが取得できる場合があります。
なにかお困りのことがございましたら、弊所、都総合法律事務所までご相談ください。
法律相談は、弁護士のみが原則対応可能です。
御社の外国人留学生の採用に伴う入管手続代行から雇用管理、紛争対応、紛争予防をトータルで対応できるのは、
弁護士だけです。
行政書士、社労士が対応することは違法で犯罪行為となります。
その他のコラム
技能実習制度での監理団体とは?
ビルクリーニング人材派遣人材紹介会社経営外国人労務顧問技能実習採用求人求職特定技能日本の企業においては、さまざまな場面で外国人の技能実習生が活躍をしています。 この制度は、日本が先進国としての役割を果たしつつ、国際社会と調和ある発展を目指す目的で作られました。 外国人の技能実習生が日本の企業や個人事業主と雇用関係を結び、出身国では難しい技能の修得や熟達を目指します。 そんな技能実習制度ですが、日本の企業がこの制度を利用するためには大きく2つの方法があります。 ひとつが、いわゆる「企業単独型」...
「デジタルノマド」向けの新在留資格創設について
ビザ人手不足在留資格ITやマーケティング、コンサルティングなどの仕事に従事し、世界各地を移動しながらリモートで働く人々は、「デジタルノマド(遊牧民)」と呼ばれています。 こうしたデジタルノマドを対象に、在留資格「特定活動」を付与することを2024年2月2日に政府が発表しました。 3月末までに関係する省令・告示を改正し、運用を始める予定としています。 デジタルノマドは、推...
介護業界における外国人労働者の受け入れ
人手不足人材紹介介護技能実習少子高齢化が深刻化する中、様々な場面において人手不足が問題となっています。 中でも介護業界は、利用者の高齢者が増える一方、働き手となる若者が減っていく状況にあり、人材不足が深刻になっています。 そこで、外国人労働者を受け入れる制度を利用することにより対応することが考えられます。 介護業界における外国人労働者受け入れの従来の制度としては、EPA介護福祉士(候補者)、介護の在留資格、技能実習と...
中小企業等協同組合に関する行政庁への主な手続
中小企業等協同組合法外国人労務顧問外国人技能実習機構技能実習法律顧問監理団体送り出し機関中小企業等協同組合に関する行政庁への主な手続には、 (1)組合の設立、(2)役員変更の届出、(3)定款変更、(4)決算関係書類の提出が挙げられます。 以下で、どのような手続が必要なのか見ていきましょう。 (1) 組合の設立(中小企業等協同組合法27条の2) 組合の設立には、発起人4人以上(企業組合連合会等は2組合以上)が設立に必要な次の書類(施行規則57条参照)を、認可を受ける行...
特定技能はどの職種に対応しているのか?
在留資格外国人労務顧問技能実習特定技能日本の人手不足解消に向けて「特定技能」のビザが新設されたと大きく報道されましたが、 およそ万能な制度とは、言い難いものです。 現在、日本の各業界の人手不足は深刻化していますが、 人材確保が困難な業界について、一定の専門性や技能を有しており、即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みができました。 それが在留資格「特定技能」です。 この特定技能という新しい在留資格が作られたことにより、今まで以上に多くの外国人が働...